Friday 24 March 2017

2年に1度のレッドノーズデイ

水曜日、ロンドンを襲った事件。その日も、その次の日もロンドンはいつも通り。みんな粛々といつも通りに生きていて、その姿に強さを感じた。静かな中にある強さのようなもの。地下鉄を乗り換えて仕事に行くこと。ヨーグルトがきれていたなと思ってスーパーに買いに行くこと。そんな当たり前のことを当たり前に続けること。そうやって確かにいつも通りに生きていくことが最大の抵抗なのかもしれないとロンドンの人から学んだ。
このような悲劇がもう起きないことを祈って。


そんな今日、24日の金曜日はRed nose day 。Red nose day とは2年に1度Comic Reliefという団体によって開かれているチャリティーイベントで、アフリカとイギリスでひどい貧困や差別と戦っている人たちを支援しているそう。Comic Reliefは1985年に映画監督のリチャード・カーティスとコメディアンのレニー・ヘンリーによってエチオピアの女性のために立ち上げられた。ちなみにリチャード・カーティスはノッティングヒルの恋人ラブ・アクチュアリーアバウト・タイムの監督で、今年のRed nose day ではラブ・アクチュアリーのスピンオフ作品のショートフィルムが放送されるそう。これは楽しみ!


 

Red nose dayを知ったのは2013年、公式ソングとしてOne Direction がOne Way or Anotherを発表したとき。原曲のBlondieのOne Way or Anotherはデボラ・ハリーの声が渋くて最高にかっこいいのだけれど、The UndertonesのTeenage Kicksをミックスした1Dバージョンはポップで可愛くて聴けば聞くほどクセになる感じ。メンバーがレッドノーズを付けて踊ったり、当時のキャメロン首相が出演したりするミュージックビデオは、ロンドンの名所がたくさん出てくるのでイギリスに住みたくて堪らなかったあの頃、なんども繰り返し見ていた。(東京も出てくる!)



職場でも、red nose dayに合わせて月曜日から毎日イベントがありました。例えば有志が家でケーキを作ってきてそれをみんなが買い、売り上げを寄付したり、レッドノーズを付けたり。ケーキの日はなんと1日で400ポンド以上(約6万円以上)の募金があったそう。

今日働いていると、苺ジャムが真ん中に乗った丸いビスケッド(いま思えばレッドノーズモチーフだったのかも)がいくつものったトレーを持って同僚が私たちのデスクへやってきた。「ビスケット欲しいひと〜」という声にみんなに負けじと手を挙げ、いざ財布を開けると小銭は1ペンスしかない。しかし、はりきって手を挙げた以上はひけないぞ!予想外の出費に冷や汗を流しながら、5ポンド札と引き換えにビスケットを1つもらったのでした。(といっても5ポンドは700円くらいだけれど)



イギリスに住んでみて驚いたことのひとつはチャリティーが盛んなこと。イベントはもちろん、チャリティーショップの数はスーパーに引けを取らないし、チャリティーと言うのが正しいのか分からないけれど、道端に座っているホームレスにお金や食べ物を渡す人や街角や地下鉄でspare coinを尋ねるひとに応える人もよく目にする。最初はとても驚いた。旅行をした時には気づかなかったイギリスの一面。私は元来ケチなところがあるけれど、これを機にイギリスのいいところを真似していきたいなと思う。



🇬🇧本日も読んでいただきありがとうございます。 「イギリス情報」と書かれたバナーをクリックしていただけると励みになります🌹 にほんブログ村 海外生活ブログ イギリス情報へ
にほんブログ村

Sunday 19 March 2017

小さなインドのある動物園(London Zoo)

3月半ばに入り、ロンドンはすっかり春模様。長い冬を乗り越えて、街中をさくらや椿に水仙が彩る、歩いているだけで幸せな季節がやってきた。


とても天気の良かった月曜日、London zooへ行った。Camden Town StationからChalk Farmの 方へゆるやかな坂を登っていったところにある -前に紹介した茄子の田楽がおいしい下鴨もこの途中にある-、リージェントパークの中に動物園はある。駅の近くにあるケバブ屋さんで昼ごはんを食べてからのんびり歩いて向かった。


動物園の前にはカナルが流れており、いくつものボートハウスが浮かんでいる。イギリスの映画やドラマでたまに目にするボートハウスは私の憧れだ。どこかへ行きたい時は家ごと移動できるのはなかなか得難い自由だし、元来狭い場所でぬくぬくするのが好きな私にとってはとても理想的。家を探していた時に、偶然ボートハウスの広告を見つけたけれど、短期貸しだったのでなくなく諦めた。それから、My Life Without Me に出てくるようなトレーラーハウスも憧れ。


ミーアキャットや猿などの小動物は柵がなかったり、あってもとても低いので触れられるほど近くで見ることができる。あまりの可愛さにしばらく柵の前で止まっていたのはラッコで、天気がいいからか土の上で仰向けになって石で遊んでいる姿は本当に愛らしかった。5、6匹いて甲高い声で甘えたように鳴きながらじゃれあっている姿はとても微笑ましかった。




いちばん楽しかったのはライオンのエキシビション"Land of Lions"で、一体がインドの街のようになっていた。これがすごい凝りようで、門をくぐるとヒンディーと英語で書かれた看板があり、右に曲がるとインドの家の中を再現した建物がある。黄色く塗られたコンクリートの壁に緑色の柱、壁に飾られたガンディーの写真や(ライオンエキシビションなので)ライオンたちの写真。家の外に出ると鮮やかな青に塗られた外壁と、その中に佇むガネーシャ像。ライオンがいる場所の近くにはヒンドゥーの神とライオンの像や絵が飾られていて、そこにはたくさんの1ペンスが投げられていた。




ライオンを見終わったところには、インドの商店街が広がっていた。カラフルなペイントが施されたいくつものトゥクトゥクや、(ライオンエキシビションなので)ライオンジョークたっぷりのお店たちが並んでいる。中でも面白かったのは理容室で、ここで髪を切るとみんなライオンヘアーになるらしい。イギリスにいると、長年に渡るインドへの憧憬を感じることがある。休暇でインド旅行へ行く人も多いし、イギリス人を惹きつけて離さない何かがインドにはあるのだと思う。そうでないと、わざわざ動物園に小さなインドの街を作ったりしないだろうし。そんなこと言いながら、私もインドは一番行きたい国のひとつでガネーシャのネックレスをつけて(ガネーシャの裏側はサイババの写真だった)、部屋にヒンドゥー教の宗教画を飾っていたのだけれど。




動物園の中にある水族館も楽しかった。パステルカラーのイソギンチャクやサンゴ礁、その中を優雅に泳ぐ熱帯魚。その全てが幻想的で美しく、家にこんな水槽があればいいのになと思う。なかなか衝撃的だったのはスッポンで、小さな水槽は東南アジアのレストランのキッチンのような装飾がされており、水槽の前には「スッポンは貴重な生き物なので、旅行に行っても食べないようにしましょう」という警告文のようなものが書かれていた。





月曜日だったのにも関わらず動物園は賑わっていた。見学遠足で来た中学生のグループや、ベビーカーを押す家族、仲睦まじいカップル、楽しそうな若者たち。私たちも4、5時間かけてゆっくり見て回った。動物園を後にして、駅の近くにあるパブでビールを飲み、家の近くでタイ料理を食べて帰った。空は青く澄み、風は暖かく、とても幸福な月曜日だった。

本日も読んでいただきありがとうございます。
ワンクリックしていただけると励みになります🌹
にほんブログ村 海外生活ブログ イギリス情報へ
にほんブログ村