Monday 29 May 2017

逞しいヨーロッパの人々、可愛らしいメトロの椅子(パリ旅行記1)

気がつけば5月も残り数日。待ちに待ったロンドンの夏がやってきた。夜9時でもまだ外は明るく、朝方5時にもなれば日が昇る。天気のいい週末ともなれば、みんな公園に集まって、日光浴。中には気合を入れて水着を持参している人もいる。なんとなく、街中が高揚していて、私はロンドンの夏が大好きだ。

イギリス生活も2年目に入ったので、ある目標を立てた。「月に1回は旅行をすること」今回はその第一弾として4月に行ってきたパリの旅行記です。


ロンドンを昼過ぎに出て、飛行機で約1時間半。パリのシャルル・ド・ゴール空港に到着。私がパリに着いたのは4月22日。二日前にシャンゼリゼ通りで警察官が殺害される事件があり、翌日はフランス大統領選挙を控えているという緊張感のあるタイミングだった。シャンゼリゼ通りの事件ですっかり怖気付いていた私は、パリに行くのちょっと怖いんだよね〜と同僚にこぼした。するとみんなが口々にこう言った。

「テロの後はより警備が厳しくなるから、より安全ってことじゃん!逆に狙い目だよ。(冗談交じりで)」
(ポルトガル人)

「テロなんかで自分の人生を左右されちゃダメ。そんなことのために、人生をストップさせるなんて絶対ダメだよ」(イギリス人)

「ここは絶対安全なんて場所はどこにもないんだから。どこだって危険なんだよ。隣に座ってる人や、クラスメートがテロリストだっておかしくないんだから。」(ドイツ人)

みんな心持ちが全然違う。逞しい。これが “テロに屈しない” ということなのだなあと思った。マンチェスターの痛ましい事件の後、ロンドンのテロ警戒レベルが最上級に引き上げられた。特にこの週末はバンクホリデー(3連休)なので、人混みには出かけないようにというメールが在英日本大使館からも来た。(大使館からはここ数日毎日メールが届く)

土曜日、フィルムの現像に行った日のこと。カメラ屋のおじいさん-キプロス出身らしい-とそんな話をしていた。連れが「3連休でかけないほうが良いよ」というと、おじいさんは「なに言ってんの。月曜日はギリシャ料理屋でパーティーがあるんだ。楽しみにしてたんだからいくよ!」と半ばキレ気味に言っていたので思わず笑ってしまった。

パリから話が外れてしまったけれど、最近感じたヨーロッパ的(と呼んで良いのか分からないけれど)心構えについて。それでも街中にいる警察官の数は圧倒的に増えたし、中心地でなくとも、警備が強化されているのは目に見えて分かる。私たちにできることは、緊張感を切らずに、ただ一日一日を強く生きていくことだけなのだ。




さて、シャルル・ド・ゴール空港から地下鉄に乗りパリの中心地へと向かう。飛行機で隣に座っていた男性と仲良くなり、中心地まで一緒に行ってくれるというのでお言葉に甘えて着いていくことにした。パリ出身で、現在はダブリンの大学でフランス法を教えているという彼は、この週末会議に出席するために帰国しているのだと言った。飛行機の中で久しぶりアカデミックな話をし、大学卒業後停止していた批判的思考が刺激された。久しぶりに脳みそが疲れたーという感覚。最近はYOLO~って感じで世の中に目を向けていなかったなあと痛感。

空港からは、REPという高速鉄道で中心地へと向かう。戸建ての家が多く並ぶ郊外を電車はぐんぐんと通り過ぎていく。電車の中にも武装した警察官が待機していた。「普段のパリはこんな感じじゃないんだ。だから勘違いしないでね。大統領選前だから。」と彼は言った。

Saint-Michel Notre-Dame 駅でメトロに乗り換える。私の宿の最寄駅にいく電車のプラットフォームまで送ってくれ「次くる電車に乗って、終点で降りれば良いから」と教えてくれた。そして、反対側のプラットフォームへと去って行った。

フランスでこれだけは食べて、とChausson aux pommesというりんごが練りこまれたクロワッサンと、Amorioというフランス発祥の世界で一番美味しい“イタリアン”ジェラートのメモを残して。


長くなってしまったので、つつぎはまた今度。次回は映画アメリのロケ地巡りに着いて書きます。

🌹🌹パリの可愛いもの🌹🌹
メトロのプラットフォームにある椅子。
各駅ごとに色が違って、停車が楽しみだった。
見た目によらず座り心地がとても良い。






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