Tuesday 31 January 2017

幻想的な青い教会、イマドキのおままごと事情(スロバキア旅行記3)

前回のブログはこちら

ブラチスラバでいちばん楽しみにしていたのは、“The Blue Church”という別名で有名なThe Church of St Elizabeth 。淡いブルーに輝く教会の写真を一目見たときに、絶対に行きたいと思ったのだ。


ブルーチャーチは旧市街地の中心から歩いて15分ほどのところにある。11月のブラチスラバはとても静かだった。観光客もほとんど居なかったのに、時々すれ違った団体客はみんな日本人だった。いま日本ではブラチスラバが大注目!なわけではないと思うけれど、不思議。

「マンホールおじさん」の別名で人気なMan at work

カフェでケーキを食べたり寄り道をしながら向かう。このカフェは入ってすぐに手作り雑貨やスロバキアの民芸品が売ってある雑貨スペースとケーキのショーケースがあり、奥はカフェになっていた。その一角にあった「おままごとスペース」に私は思わず目を奪われた。キッチンがIHだったのだ。その隣にはコーヒーメーカーまである。もう2016年だものな、と思いながらもジェネレーションギャップを感じる。



旧市街地をでて大きな道路を渡り、細い路地を何度か曲がった。住宅地の中にその教会はあった。青空の下で、淡いブルーの幻想的な教会は一際輝いて見えた。


1907年に建てられたこの教会は、ハンガリー人の建築家レヒネル・エデンによって設計されたアール・ヌーヴォー様式。レヒネルはハンガリーのガウディという異名も持つのだとか。細かい曲線や模様が施された教会は、近くで見ればみるほど美しく、しばらく見惚れてしまった。



ドアを開けて中へ入る。入ってすぐには鉄格子があり、そこから先には入ることはできなかった。網目から中を覗く。教会の中も、外観と同じ淡いブルーと白で統一されていて幻想的な雰囲気。すべてを写真に切り取って持って帰りたいほど、どこまでも美しく、今まででいちばん好きな教会になった。


教会の裏にある学校も信じられない可愛さだった。おそらく教会と同じアール・ヌーヴォー様式で、濃淡のオレンジが教会のブルーと対照的にとても暖かい。周りはごく普通の、コンクリート打ちたてのビルとかなので、この教会と学校だけがちょっと異次元からやってきたかのよう。




ブラチスラバはとても小さい街なので1日もあれば充分に見てまわれる。ウィーン・プラハ・ブダペストへも簡単に行ける便利な立地なので、ヨーロッパ旅行のついでに訪れてみるのもいいかもしれません。




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Friday 27 January 2017

ロマンあふれるデヴィーン城(スロバキア旅行記2)


前回のブログ🇸🇰スロバキア旅行記1素朴で温かいスロバキア料理


朝のスロバキアは日差しの中でささやかにひかえめに輝き、それはまるで儚い水彩画のようだった。旧市街地にあるカフェで朝食をとり、断崖絶壁に残る廃墟、デヴィーン城へ向かった。


バス停にある券売機。チケットはチェコと同じ時間制






旧市街地から歩いて10分ほどの所にあるバス停から29番のバスに乗る。行きも帰りも、バスは1時間に一本。バスは私たちを乗せ、ぐんぐんと郊外へ進んでいった。建物の数が減り、緑が増えていく。20分ほどで目的地のデヴィーン城へたどり着いた。



城は崖の上にあり、そこまで登るのことを考えてちょっとくじけそうになる。€1.5を払ってチケットを買い(ホームページでは€4となっていて、なぜ€1.5だったのかはよくわからない)、中へと進む。目の前に広がるのは、豊かな芝生と無心でそれを食べる羊とロバ、そして奥にそびえ立つデヴィーン城。頂上へ向かう途中では、山の麓に広がる町を見下ろせる。緑の中にぽつぽつとあるオレンジ色の屋根が愛らしい。




デヴィーン城は9世紀に建てられ、長年ローマ帝国の要塞としての役割を果たしていたが、1809年にナポレオン率いるフランス軍に攻め落とされ、現在のような廃墟になったそう。実際に写真の廃墟の中へ入ることができる。今は骨組みのような部分しか残っていないけれど、部屋の広さを体感したり、ここは何に使っていたのだろうと想像したり、過去に想いを馳せてみる。


廃墟の周りにはなぜかモダンアートが飾られており、小さな屋外美術館のよう。9世紀の古い廃墟と、モダンアートの組み合わせがなんとも斬新。


デヴィーン城はドナウ川とモラヴァ川の合流地点に位置し、城からは雄大な自然が見下ろせる。対岸に見えるのはオーストリアで、私たちがいる間も船が行き来していた。


城の周りにはハイキングやサイクリングコースもあり、Slovakia.comによれば1日過ごせるそうだけれど、私たちのようにデヴィーン城を見るだけならば1時間でも十分。バスに乗って旧市街地へと戻り、「青の教会」として有名なChurch of St. Elisabethへ向かった。



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Sunday 22 January 2017

素朴で温かいスロバキア料理(スロバキア旅行記1)

秋に行った東欧旅行記がまだ終わっていなかったのでつづきを...
🇨🇿チェコ旅行記はこちら

スロバキアの国旗が刺繍されたくまʕ•ᴥ•ʔ🇸🇰

プラハから4時間電車にゆられ、スロバキアの首都ブラチスラバへたどり着いた。すでにあたりは漆黒の闇にのみこまれていて、ところどころ傷つき、スプレーでらくがきされた建物が薄明るい街灯に照らされていた。チェコとスロバキアはかつて同じ国だったにもかかわらず、それぞれの持つ雰囲気の違いにとても驚いた。そして、ここがかつて社会主義の国であったことをなぜか強く意識させられた。


ブラチスラバの夜はとても寂しい。教会から聞こえる鐘の音、頬を冷やすつんとした風、あたりを包む深い闇。ホテルに荷物を置き、ブラチスラバ城まで歩く。ブラチスラバはとても小さい街なので、徒歩で歩いてまわれる。坂道を30分ほど登り続けると闇の中に白亜のブラチスラバ城が浮かんでいた。4つの塔が四方に建っており「ひっくり返したテーブル」という愛称で呼ばれるこの城は、女帝マリア・テレジアの時代に最盛期を迎えたが、1811年に火事で焼失し、共産主義時代の 1945年から68年にかけて修復されたそう。




ブラチスラバ城は小高い上に建っているので、夜はドナウ川とブラチスラバの夜景が見渡せる。ブダペストの夜景よりも、素朴で親密な感じのする夜景。坂を下り、旧市街地へと向かう。空腹の限界だったので、目についた郷土料理のレストランに入る。


芯から冷え切った体をスープが少しずつ温めていくのを感じた。酸味の効いたキャベツのスープはサワークリームを混ぜると、まろやかになる。とても好きな味。食事が運ばれると、私たちはそれぞれ一口ずつ味見をすることが習慣になっていた。友人のひとりは私のスープを「あーすごく苦手」と言っていたので、まあ、好みは分かれる味なのかも。私たち3人は食の趣味がバラバラだったのでスターターもメインもそれぞれ頼んだけれど、東欧のご飯はものすごくボリュームがある。毎回食後はぐったりしてしまうほど。





メインにはモチモチのじゃがいもの中にひき肉が入ったポテトダンプリングを。付け合わせで茹でた細切りキャベツがのっていた。チェコ、スロバキア、そしてこの後行ったハンガリーでもこの酸っぱいキャベツ、ザワークラフトはよく料理に使われていた。ホットドックにはさんでいたり、スープだったり、メインの付け合わせだったり。スロバキア料理は素朴で優しく、親戚のおばさんが作ってくれたご飯のような、知らない味なのに安心する、温かい味がした。


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Thursday 19 January 2017

人生は大きな決断の連続だ(Kensington Palaceでクリームティー)


the Serpentine Galleryを後にして向かったのはKensington Palaceにあるカフェ。(昨日のブログはこちら)歩いているとガサガサという音が芝生の中や、木の上から聞こえてくる。なんだろうと思って音のする方を見ると、音の主はリス。イギリスにはリスがたくさんいる。公園にはもちろんのこと、部屋の窓からも忙しそうに走り回るリスが見えることがある。何度みてもそのふわふわの尻尾と独特の動きが愛らしく、思わず写真を撮ってしまう。


公園には巨大な池もあり、白鳥や鴨が餌を探したり気持ち良さそうに泳いだりしている。とても静かで長閑。ベビーカーを押す家族や、手を取り合って歩く老夫婦、スケーターの男の子たち。みんな貴重な青空を体いっぱいで愉しんでいる。


Kensington Palaceの前にはヴィクトリア女王の像がある。ロンドンには本当にたくさん像があり、このヴィクトリア女王も一見なんの変哲もない像なのだけれど、実は秘密が隠されている。なんとしゃべる像なのです。Talking Statuesという2013年にコペンハーゲンで始まった取り組みで、スマートフォンを使うと像の「声」が聞けるというもの。声はそれぞれ俳優が担当しており、ロンドンでは他にもピーターパン、ニュートン、シャーロックホームズなどの声が聞ける。


CNNによるTalking Statuesについての動画

ヴィクトリア女王の脇を通り、Kensington Palaceへと向かう。このカフェはKensington Palaceに併設しているけれど、公園の中にあるせいか値段もリーズナブルでカジュアルな雰囲気。カフェの中では紅茶やティーカップなどイギリスらしいお土産も買える。


ここではクリームティーを。クリームティーとは紅茶とスコーンのセットのことで、アフタヌーンティーの一種。スコーンにはクロテッドクリームとジャムが欠かせない。イギリスでプレーンスコーンと同じくらい定番なのがレーズンなどのドライフルーツが練りこまれたフルーツスコーン。このカフェはプレーンタイプはなくフルーツスコーンのみ。スコーンを頼むと、小さい瓶に入ったいちごジャムとクロテッドクリームがセットで付いてくる。

閉店30分前だったので紙袋でのサーブ

スコーンは横で半分に切り、クロテッドクリームとジャムをのせて食べる。シンプルなのにこれがとても美味しい。クリームとジャムをのせる順番についてはイングランドの南西で隣り合うコーンウォールとデボンの間で歴史的な確執があるそうで、コーンウォールはジャムの上にクリームを、デボンはクリームの上にジャムをのせるらしい。私は何も考えずにクリームからのせていたけれど、皆さんはどっち派ですか?

人生は大きな決断の連続だ。コーニッシュorデボンシャー?


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王立公園の中にある美術館 (the Serpentine Gallery)


ここ最近のロンドンはとってもいい天気。目が覚めて、カーテンを開けた時に窓から青空が見えると居ても立っても居られず、用事がなくても外を歩きたくなる。今日も快晴。せっかくのいい天気だったので広い公園を歩きたくなったのと、美術館に行きたかったので、バスに乗ってthe Serpentine Galleryへ出かけた。

the Serpentine Gallery

the Serpentine Galleryは1970年にオープンした現代アートの美術館で、ケンジントン・ガーデンズの中にある。2000年以降、毎年夏に建築家が戸外に作るパビリオンが有名で、過去にはザハ・ハディドやアイ・ウェイウェイがデザインした。他には2002年に伊東豊雄、2013年に藤本壮介と、2人の日本人建築家が参加しているそう。

どれがリスでしょう。

昼間の公園はベンチで談笑する人や、気持ち良さそうに走る犬たちで賑わっていた。イギリスの公園はリードなしで犬を散歩させていいところも多く、犬たちはのびのびと駆けまわっている。こっちの犬はよくしつけられており、私は未だに吠えているのを聞いたことがない。飼い主が「おいで」と声をかければ走って戻ってくる。



今回はLucy Ravenというアメリカ人アーティストの展示が行われていた。真っ暗な室内に光や映像を使った作品が展示されていて、立ったり座ったり、近づいたり離れたりしながら観た。とても小さい美術館なので30分ほどで観終わる。


真ん中のカードは大好きなイギリス人アーティストTracy Emin

併設のブックショップはアートブックがとても充実している。作品を鑑賞するときと同じくらいの熱心さで本を探す。今日はEd van der Elskenというオランダ人写真家が世界中で撮ったポートレイト集を買った。“ふつうの”少女だったブリジット・バルドーがバレエを練習する姿や、アムステルダムのpunks、歌舞伎町で出会ったトランスセクシュアルの女性たちなど、いろんな時代のいろんな人が収められている。



のんびりしたいなあという日が運良くいいお天気なら、the Serpentine Galleryはぴったりの場所だと思う。アートを楽しんで、自然の中を歩いて、Kensington Palaceのカフェで休憩して。長くなったので、カフェに行った話はまた次回に。

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Tuesday 17 January 2017

最期に食べたいほど好きなもの(ロンドンでおすすめの日本食レストラン 下鴨)


ロンドンで美味しい日本食を食べたいなら、Camden Townにある下鴨 Shimogamoが何と言ってもおすすめ。ワーホリ仲間の友人に、「ここの海鮮丼が安くて美味しいよ」と連れて行ってもらったのがきっかけで、それ以来お気に入りのレストランになった。今までいくつかの日本食レストラン-通称ジャパレス-に行ったけれど、下鴨は格別に美味しい、と私は思う。

 まずは梅酒

いくらおろし、揚げ出し豆腐、茄子と餅の揚げ浸し、ロックソルトの効いたえだまめ、鮭といくらの親子丼、すき焼き、山菜うどん。思い出すだけでお腹がなりそう。どれも、ああ懐かしいと思う味付けで、いつ食べてもほっとする。海外で、「ああ懐かしい」と思える和食に出会うのはなかなか難しい。

山菜うどん

いつも注文する一番のお気に入りは茄子の二色田楽で、私はほとんどこれのために来ている。白味噌と赤味噌の2種類で、味噌でこんなに味が変わるものなのかとびっくりしてしまう。西京味噌を使った田楽は、まろやかで甘い。赤味噌の田楽はより味噌の味が濃く、お酒によく合う。家でも真似て作ってみたけれど、到底この味には近づけない。いまのところ、私が最期に食べたいものをあげるとするなら、ここの茄子の味噌田楽だ。


奥に見えるのはサーモンの照り焼き

この日は締めに黒鯛の握りを。下鴨は一つ一つの器もこだわっている。だからより、日本に帰ったようなほっとした気持ちになるのかもしれない。握り寿司は「脚」のついた涼しい水色の器にちょこんと乗っていたし、梅酒は水彩画のような桜の絵が美しい器に注がれていた。


イギリスに来てから、期せずして2ヶ月に1度は通っている下鴨。私が一度もホームシックになっていないのは下鴨があるから、なのかもしれない。


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