バラマーケットでカヌレとホットワインを買い、テムズ川沿いをロンドンアイに向かって歩く。その日は雲ひとつない青空で、歩いているだけでも気持ちがよかった。何度も何度も「あ〜ほんといい天気だね〜」と言っていたら、そんなに?と友人に笑われた。この国に来て程なくして、私はいかに青空が貴重か身体で学んだ気がする。青空の日は身体中がエネルギーで満ちてゆく。道ゆく人も心なしか上機嫌で、別れ際に「Enjoy lovely weather!」と言っているのをよく耳にする。日本にいるときに、イギリス人の友人が「まだ僕が小さかった頃、よく晴れた冬の日にママがキッチンの小さな窓に頬をはりつけていたんだ。何してるの?って聞いたら、日光を浴びてるって言うんだよ」と言っていたのをジョークだと思っていたけれど、今なら心から信じられる。
なのでその日はロンドンアイ日和。チケットを買い、3時ごろ入り口の列に並ぶ。かなりの人だかりだったけれど、一回に10人ほど乗るので、あまり待たずに順番がきた。ロンドンアイは135mの高さがあり、30分かけてゆっくりと一周する。冬のロンドンは4時ごろに日が沈む。頂上にたどり着く頃に、ちょうど綺麗な夕焼けが見えた。
ロンドンアイを降りた頃には、ビッグベンが鮮やかな夕日に染められていた。写真を撮っているとき、偶然隣にいた日本人のカップルが「これだけでもイギリスに来た甲斐があったね」と話していて微笑ましかった。きっと2人にとってイギリス旅行の忘れられない思い出になるんだろうなあ。今まで見たビッグベンの中でも一番美しく、私にとってもずっと忘れられない景色になった。
この日撮ったビッグベン
以前撮ったビッグベン。まるで嵐の前
ロンドンアイを後にした私たちは、地下鉄London Bridge Stationに戻り、Northern lineでKings Cross Stationへ。ここには言わずと知れたハリーポッターに出てくる9 3/4番線がある。ちょっと紛らわしいけれど、この93/4番線は地下鉄のKings Cross Stationではなく、オーバーグラウンドのKings Cross Stationにある。ショップやカフェが並ぶ近代的な駅を歩いていると、なんの変哲も無い壁に突如現れるので、気をつけないと見逃してしまいそう。
賢者の石しか見ていないとは思えないはしゃぎっぷり
月曜から金曜の8時から夜の10時まで、日曜日の9時から夜9時まで写真サービスが行われていて、マフラーや魔法の杖を無料で借りることができる。店員さんがシャッターに合わせてマフラーを投げてくれたり、ポーズを指示してくれたりととても協力的。普通のポーズとジャンプとそれぞれ1枚ずつ撮る。写真は買ってもいいし、買わなくてもいい。さらに自分のカメラでも撮っていいと言う太っ腹ぶり。写真を買った場合だけお金がかかるのだけど、撮ってもらった写真が思いの外よかったので買ってしまった。プリントした写真に加えて、ネットでダウンロードできるデジタル写真も貰える。大人も子供も大はしゃぎでジャンプしていて、みんな笑顔で、そこにはとても平和な空気が流れていた。隣にはハリーポッターショップもあり、ファンにはたまらないようなグッズがたくさん売っている。友人はお土産に百味ビーンズを買っていた。
お店の人が撮ってくれた写真
そこで私たちが夢中になったのが、無数にある写真から気に入ったアルファベットの写真をそれぞれ選び文字を作れるお店。木、建物、ベンチの手すり、窓など日常の中に隠れているアルファベットの写真たち。これが思った以上に楽しくて、20分はいたと思う。店員さんも呆れて奥に引っ込んでいた。ああでもない、こうでもないと言いながら、私は自分の名前を、友人はLONDONの文字を作った。
🇬🇧本日も読んでいただきありがとうございます。
「イギリス情報」と書かれたバナーをクリックしていただけると励みになります🌹
にほんブログ村
No comments:
Post a Comment