Monday, 16 January 2017

イギリスのファッション雑誌のこと


私は雑誌が好きだ。スーパーに買い物に行くといつも雑誌コーナーをチェックする。イギリスではだいたいどのスーパーにも雑誌コーナーがあって、男性誌、女性誌、ゴシップ誌、子供向けのディズニープリンセスの雑誌など、ほとんど揃う。立ち読みをしている人はおらず、みんなぱらぱらっとページをめくって、気に入ったらすぐカゴに入れている。雑誌コーナーの隣には読みながら食べるための(と私が思っている)、チョコレートバーや小袋のスナック菓子なんかが並んでいる。


今月のELLE UKは女優のElle Fanningが表紙だった。袋に入ったELLEを手に取ると、今月はCOSMOPOLITANと2冊セットで£4.50らしい。それぞれELLEが£4.30、COSMOPOLITANが£1なので、もうCOSMOPOLITANが付録のようなもの。そういえば、イギリスの雑誌の価格は日本と比べると安い。その一因は雑誌には消費税がかからないから。イギリスでは日本でも議論になった軽減税率が導入されているので、本も新聞紙も消費税率は0%。(https://www.gov.uk/guidance/rates-of-vat-on-different-goods-and-services 参照)


イギリスの雑誌は豪華かつ実用的な付録がついていることが多い。例えば、以前買ったmarie claireは自然派コスメブランドbalance meのハンドクリームが付録だった。市販だと2倍の量の100mlが£14.50で売られているこのハンドクリームは、ローズの香りでとても気に入っている。他にもよく見るのはマニキュア、口紅、化粧水などの化粧品。本誌の中には付録とは別に、広告と一緒に試供品もよくついている。


雑誌の内容は、ランウェイやハイブランドのトレンドを中心としたファッションページに加え、読み物のページが多いのが特徴。女優・俳優・アーティストだけでなく、各業界で活躍している女性のインタビューや、社会問題についてのコラムなど内容は多岐に渡る。今月号のELLEにはasexuality(他人に対し性的魅力を感じないセクシュアリティのこと)についての、11月号のmarie claireではイギリスの大学で起きた性犯罪についての記事も、ファッションページの間にごく自然に載っていた。

ELLE UK February 2017

ELLE UK February 2017

お目当てだったElle Fanningのインタビューは読者の質問にエルが答えるという形式。質問は「エルが寝る前に必ずすることは何ですか?」といった類のものではなく、「ヴィンテージのロックTシャツを可愛いから買ったけど、そのバンドのことは全然知りません。このTシャツを着ても良いと思いますか?-ジャスティンビーバーの大ファンより」といったクスッと笑えるものから、「15歳のとき同性愛者であることをカミングアウトしました。家族も友人も私をずっとサポートしてくれたけれど、大学生になり自分がストレートだと気づきました。周りに今更言えず困っています。」というシリアスなものまであり、それらの質問にエル・ファニングがずばっと答える。その答えが実に的確で分かりやすく、一気に読んでしまった。



そういえば先日、Elleが主演のThe Neon Demonを見た。現在日本で公開中のこの作品はモデル業界を舞台にしたサイコホラーだが、それぞれのシーンが雑誌の1ページのように美しい。セリフは最小限しかなく、絵画を見ているような作品だった。あのハリウッドスターもちょろっと出演しています。




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