いよいよ今年も残すこと31日。ロンドンは日に日に寒さが増し、日中の気温も5度を下回るほど。日中といっても夕方5時にもなれば真っ暗なので、この先のことを思うと気が滅入りそうになる。以前、日本に住むイギリス人が冬のイギリスを
It's really miserable (ほんと、ひどいもんだよ)と言っていた。今ならその意味がよく分かる。どうしてみんな夏のあいだあんなに日光浴に勤しんでいたのかも。
そんな
miserableな冬のイギリスにもちゃんと楽しみはあります。この前そのひとつ、
Winter Wonderlandへ行ってきた。ハイドパークで毎年この時期に開かれるお祭りで、ロンドンの冬の風物詩だ。このWinter Wonderlandのいいところは、ホームページにも「子どもと一緒に、仕事後の息抜きに、ロマンチックなデートに、夜を楽しみたい人に」とあるように大人から子供までいろんな楽しみ方ができること。
開園時間は朝の10時から夜の10時、入園料は無料で乗り物に乗る場合はチケットを買う。園内には野外スケートリンク、色とりどりのアトラクション、湯気の立ち上る屋台などが立ち並び、どうしたって心躍ってしまう。
Adventureland(2009)や
The Notebook(2004)といった映画で移動式遊園地への憧れを募らせていたわたしは、高鳴る気持ちを抑えきれず早足で中へ中へと進んだ。
わたしたちが行ったのは7時ごろ、あたりはすっかり真っ暗になり、乗り物や屋台のネオンが暗闇の中で幻想的に光ってた。アトラクションは小さな子ども向けのものから、大人も楽しめるなかなか激しいものまでさまざま。
お祭りとは言ってもここはロンドン、いたるところでお酒を買える。この季節の定番はMulled wine、日本でいうホットワインで、芯まで冷えきった体をぽかぽかと温めてくれる。もちろんビールも。寒さは関係なくみんな美味しそうにビールを飲んでいるのを見て、やっぱりイギリスはビールの国なんだなあとしみじみ。そうなると食事も自然とお酒に合うものになるようで、色んなフレーバーのプレッツェルや、大きなソーセージ、ローストポークなどが並んでいた。
メリーゴーランドと思って近づいたら、回転式のバーだった。
お酒を飲みながらゆっくり回転していく人たち。
誰でも動物になれる椅子
お酒が飲めなくても、ホットチョコレートや熱々のチュロス、可愛くデコレーションされたお菓子もあるので大丈夫。わたしたちはライブ演奏を聞きながらお酒を一杯ずつのみ、園内のデコレーションを端から端まで歩いて楽しみ、最後にジェットコースターに一回乗って思いっきり叫んでから帰った。ほんとうは色んなものも食べたかったけれど、現金を持ち合わせていなかったので、次回に残しておくことにした。
(キャッシュマシーンもあるけれど、手数料がかかるので現金はあらかじめ用意しておいた方がいいです。街中のキャッシュマシーンはほとんどが手数料無料)
こんなに楽しい場所があるなら、イギリスの冬もそんなに悪くないなぁと思う。よくイギリス人に「一体イギリスのどこが好きなの?」と聞かれる。すると決まってわたしは「ユーモアのセンスがあって、人生の楽しみ方を知っているところ」と答える。皮肉の効いたユーモアと、貪欲に人生を楽しもうとする姿勢。イギリスの冬はまだまだこれからだけれど、わたしも小さな愉しみを見つけながら春を待とうと思う。
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